「まずい、本気で好きになってしまうかもしれない…」
仕事をサポートしてくれる、笑顔が素敵な職場の後輩(部下)。 頼りにしてくれる真っ直ぐな瞳。何気ない会話で見せる、ふとした仕草。 気づけば彼女のことばかり考えている自分にハッとする。
家庭には愛する妻がいる。守るべき日常がある。それなのに胸の奥から湧き上がる久しぶりの高揚感を、どうしても抑えられない。
妻に対する激しい罪悪感と心を締め付けるような切なさ。 そして、そんな自分への嫌悪感…。
もしあなたが今、誰にも言えないそんな感情の板挟みになり独りで苦しんでいるのなら。 どうか自分を責めすぎないでください。
この記事は、あなたを社会的な倫理観で断罪するためにあるのではありません。 そのどうしようもなく惹かれてしまう感情の「正体」を、あなた自身が冷静に見つめ、最悪の選択を避けるための「思考の整理箱」です。
なぜ、妻以外の女性に惹かれてしまったのか。 その感情は本当に“愛”なのでしょうか。
少しだけ、立ち止まって一緒に考えてみませんか。

なぜ、あなたは後輩(部下)に惹かれてしまったのか?3つの心理
妻との関係に大きな不満があるわけではない。家庭を壊したいとさえ思っていない。 それなのに、なぜ他の女性に強く惹かれてしまうのでしょうか。 その感情の根底には、あなた自身も気づいていない男性特有の心理が隠されています。
1. 失いかけた「男としての自信」を取り戻せるから
家庭では、あなたは「夫」であり「お父さん」です。その役割はもちろん尊いものですが、いつしか一人の「男」として見られる機会は減っていきます。
しかし、職場ではどうでしょう。 後輩(部下)から「〇〇さん、さすがです!」「頼りになります」と尊敬の眼差しを向けられる。彼女にとってあなたは頼れる「先輩」であり、仕事のできる一人の男性です。
家庭では満たされにくくなった『承認欲求』が、彼女の存在によって満たされる。その心地よさが、あなたに失いかけていた「男としての自信」を蘇らせ、特別な感情へと錯覚させてしまうのです。
2. 穏やかな日常に「非日常」という刺激を与えてくれるから
長年連れ添った妻との関係は、空気のように自然で穏やかなものでしょう。それはかけがえのない「日常」であり、安心感の証です。
一方で、後輩(部下)との関係は違います。 業務上の会話、ランチの時間、ふとした瞬間の笑顔。その一つ一つが、あなたの安定した日常に投じられた『非日常』という名のスパイスです。
あなたが惹かれているのは、後輩(部下)という個人に対してだけではなく、そのドキドキや新鮮さといった「刺激」そのものである可能性が高いのです。
3. 相手の「理想的な姿」しか見えていないから
職場で会う彼女は、いつも身だしなみを整え、笑顔を絶やさず、あなたの話を嫌な顔一つせずに聞いてくれるかもしれません。まさに理想の女性に見えるでしょう。
しかし、それは当然です。なぜなら、あなたは彼女の「生活」を見ていないから。
寝起きの姿も体調が悪い時の不機嫌な顔も、お金のことで悩む姿も知りません。生活のすべてを共有し、良い面も悪い面も受け入れてくれている妻と、外での「良い顔」しか見せていない彼女を比べるのは、そもそもフェアな戦いではないのです。
その「好き」は、本当に“愛”だろうか?冷静になるための3つの問い
今あなたが抱いている、胸が締め付けられるような感情。 それをすぐに「恋」や「愛」だと結論づける前に、一度自分自身に深く問いかけてみませんか。 衝動的に行動してすべてを失う前に、必要なのは冷静な自己分析です。
1. その感情は、一瞬の「ときめき」か、積み重ねた「愛情」か?
後輩(部下)と話す時の高揚感、彼女の笑顔を思い出す時の胸の高鳴り。それは間違いなく「ときめき」です。しかし、それは長年連れ添った妻と築き上げてきた「愛情」と同じ種類のものでしょうか。
共に困難を乗り越えた歴史、言葉にしなくても通じ合う安心感、すべてを受け入れてくれる信頼関係。それらは一朝一夕では決して築けない、重みのある「愛情」です。
今感じている刺激的な「点」のような感情と、これまで築いてきた穏やかで広大な「面」のような感情。あなたは、その二つを混同してはいませんか?
2. もし彼女と「生活」したら…を具体的に想像できるか?
今の刺激的な関係のままではなく、もし彼女と結婚し、「日常」を共にすることを想像してみてください。
今の生活レベルを維持できますか? 慰謝料や養育費の問題はクリアできますか? 自分の親や友人に、彼女を胸張って紹介できますか?
そして何より、今の妻が当たり前のように担ってくれている家事や育児、親戚付き合いといった無数の役割を、笑顔の素敵な彼女が同じようにこなしてくれるでしょうか。
キラキラして見えるのは、あなたが彼女の「現実」を見ていないからです。その想像の翼を広げた先にあるのが、今の妻との日常ではありませんか?
3. あなたは妻の「何を」愛していたか、思い出せるか?
少しだけ、後輩(部下)のことは忘れて、妻のことだけを考えてみてください。
なぜ、あなたは数いる女性の中から、今の妻を選んだのでしょう。 出会った頃の、どんなところに惹かれましたか? 結婚の決め手になった、彼女のどんな部分を尊敬していましたか? 共に乗り越えた困難や、腹を抱えて笑い合った思い出はありませんか?
記憶の引き出しを一つ一つ、丁寧に開けてみてください。日々の不満や倦怠感の地層の下に、あなたが大切にしていたはずの「愛情の原石」が、まだ埋まっているかもしれません。
自分の心と家庭を守るために、今すべき3つの行動
自分の感情の正体がおぼろげに見えてきたら、次に行うべきは、感情に流されるのではなく、あなた自身の意志で「行動」することです。 これは、後輩(部下)への気持ちを無理やり消し去るための苦行ではありません。あなたの人生の土台である、大切なものを守るための具体的なステップです。
1. 意図的に、彼女との「距離」を置く
心地よい関係に水を差すようで、勇気がいるかもしれません。しかし、これがいちばん重要です。
まずは、彼女と二人きりになる状況を徹底的に避けてください。ランチの誘いは断り、業務外での個人的な連絡もやめる。会話は常に仕事に関することに限定し、必要以上に続けない。
これは、彼女を嫌うためではありません。燃え広がりそうな火種から、物理的に離れるための「初期消火」です。冷静な判断力を取り戻すためには、まず刺激の元から離れる必要があります。
2. 妻との関係に「小さな薪」をくべる
後輩(部下)に向いていた意識のエネルギーを、ほんの少しだけ妻に向けてみましょう。これは失われた過去を取り戻す作業ではなく、今の二人のための「新しい関係」を育てる試みです。
ステップ1:役割(ロール)から個人(パーソン)へ もし、妻のことを「お母さん」「ママ」と呼ぶことが増えているなら、意識して名前で呼んでみてください。これは、彼女を「母親」という役割から、一人の女性として見るための、最もシンプルで強力なスイッチです。
ステップ2:もし名前で呼び合っているなら、その「次」の一歩へ ご指摘の通り、すでに名前で呼び合うのが当たり前になっているご夫婦も多いでしょう。その場合は、もう一歩踏み込んで、「妻を改めて一人の女性として観察し言葉にする」ことを試してみてください。 長年連れ添うと相手の存在を「空気」のように感じ、良いところも悪いところも当たり前になってしまいます。その「当たり前」のフィルターを、少しだけ外してみるのです。
- 外見の小さな変化を言葉にする:「その服、似合ってるね」「髪、切った?いい感じだね」など、普段は照れて言えないような、恋人同士だった頃のような一言を。
- 行動への感謝や尊敬を伝える:「いつもありがとう」という言葉に、「~美味しかったよ」「~だから尊敬するよ」といった具体的な理由を添え伝える。
- 家庭の運営以外の質問をする:「今日の仕事、どうだった?」「最近、何か面白いことあった?」など、彼女自身の「個人」に興味があることを示す質問を投げかける。
これらの行動の目的は、妻の機嫌を取ることではありません。あなた自身が、「妻という人間」の魅力や価値を再発見するためのリハビリなのです。
3. 「男の自信」を、健全な場所で取り戻す
あなたが後輩(部下)に惹かれた根源の一つが「承認欲求」や「自信の回復」であるなら、それを健全な方法で満たしましょう。
仕事で新しいプロジェクトに挑戦し成果を出す。 昔やっていたスポーツや趣味を再開し汗を流す。 新しいスキルを学ぶために勉強を始める。
誰かからの評価に依存するのではなく、あなた自身が「俺、なかなかやるじゃないか」と思えるような時間に没頭するのです。それは、あなたの世界を広げ、特定の誰かに心を奪われる状態からあなたを解放してくれるはずです。
【まとめ】:その感情は「終わり」ではなく「見つめ直す」ためのサイン
職場の後輩(部下)に惹かれてしまう、その苦しい胸の内。 それは、あなたの人生に突然訪れた無視できない嵐のようなものかもしれません。
しかし、この記事をここまで読んでくださったあなたは、もうお気づきのはずです。 その感情は、必ずしも家庭を壊すための「新しい恋」ではなく、あなた自身の心と、妻と築いてきた関係性を「見つめ直すべきだ」という、魂からの『サイン』なのだと。
穏やかな日常の中、忘れかけていた承認欲求。一人の男としての自信。そして、妻との間にある空気のように当たり前になってしまった愛情。 後輩(部下)の存在は、図らずもあなたにその全てを気づかせてくれる、鏡のような役割を果たしたのかもしれません。
今、あなたは人生の大きな分岐点に立っています。 一時のときめきに身を任せて破滅への道を選ぶのか。 それとも、この苦しみをきっかけに、妻との関係、そして自分自身の人生と深く向き合い、より成熟した愛を再構築する道を選ぶのか。
その答えは、あなたの中にしかありません。 この心の嵐が、あなたの人生をより深く、豊かなものにするための「旅」の始まりとなることを、心から願っています。
【追伸】それでも、その想いが「本物」だと感じるあなたへ
この記事で提案したすべての自問自答を、真剣に行った方もいらっしゃるでしょう。 妻への感謝や愛情を再確認し、それでもなお、胸の中にある後輩(部下)への想いが「一時の気の迷い」や「錯覚」などではないと、魂が叫んでいるのを感じるかもしれません。
その感情から目を背けることは、あなた自身の本音に嘘をつくことになります。
それは、また別の、より深い覚悟を要する「旅」の始まりです。 もしあなたが、その険しい分かれ道に立っているのなら。 私たちは、次にもう一つの記事を用意しています。
『【続編】それでも、その愛が本物だと感じるあなたへ。選ぶべき道と、失うもの』
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もしかしたら、あなたの妻も今、誰にも言えない苦しみを抱えているかもしれません。
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